個人投資家のなかで銀行株をお持ちの方がいると思います。
最近は銀行株が下落気味で「銀行株って大丈夫?」と心配されていると思いますので、今回は管理人が銀行 (メガバンク) 株を売らずに買い増ししている理由をご紹介します。
Contents
なぜ下落?
低金利
銀行の主な儲け方は、預金という形でお金を調達し、企業等にお金を貸して、その利回りの差を儲けとしています。
預貸金利回り差(銀行の儲け) = 貸出金利回り - 預金等利回り
現在は 日銀の金融政策で金利が非常に低いため、貸出金利回りが非常に低くなり、結果として国内で収益が上げづらい状態です。
銀行不要論
フィンテックの台頭により、「銀行は不要なのでは」と思う投資家が増えています。
購入する理由
海外展開
メガバンクは海外での貸出を増加させています。
出典 金融庁 平成28事務年度金融レポート 10ページ
なぜ海外貸出が増加してるかというと、国内と比較して、高い収益を期待できるためです。
以下は8306 MUFGの例です。海外の方が利回りがガッツリとれますね。
公表資料に基づき、管理人作成。
フィンテックの利用
フィンテックが台頭するから銀行が衰退するのではなく、銀行がフィンテックの力を利用して経費削減に貢献すると考えています。
店頭手続きをスマホ等で可能にすることや、AIを搭載したセルフ端末の導入です。
メガバンクには大量の資金があります。 この資金で海外金融機関の買収のほかに、フィンテック関連の企業と協業・出資する戦略があります。
フィンテックを敵にするのではなく、資金を出して味方にするのです。
参考 MUFG 2018年度決算説明会 35~38ページ
経費削減
定年退職等の人員減少や店舗数削減により、経費を削減しています。
8306MUFGでは有人窓口のある「フルバンク」店舗数を半分にする予定です。
経費が減少すれば、純利益は上がりやすいです。
参考 MUFG 2018年度決算説明会 52ページ
政策保有株式の売却
3メガバンクグループは欧米の銀行と比較して、政策保有株式を多く保有しています。
現在、この政策保有株式の売却が進んでいます。
売却で得た現金を海外金融機関の買収などに使用し、さらなる収益力UPに努めています。
参考 MUFG 2018年度決算説明会 59ページ
株主還元
特にメガバンク株の配当利回りは高いです。
予想配当利回り | |
8306 MUFG
三菱UFJ
|
4.92 % |
8316 SMFG
三井住友
|
4.75 % |
8411 MFG
みずほ
|
4.91 % |
2019年6月7日 現在、管理人作成
8306MUFGのように自社株買いも実施する銀行もあるため、株主還元の姿勢が見られます。
蓄積された情報
融資を判断する際のデータ、口座からのお金の出し入れ、振込先など多種あります。
これらのデータを宝の山として扱い、提案や広告などの次のビジネスにつなげることができると考えています。
ただ、あまりにも膨大なため、AIを有効活用してほしいですね。
「情報銀行」というビジネスモデルにメガバンクも参入する姿勢ですので、銀行がお金だけでなく情報も扱う機関になる可能性があります。
注意事項
上記のような理由の無い銀行、特に国内貸出に依存する銀行への投資はおススメしません。
おそらく日銀の低金利政策でジリ貧状態で、合併する運命にあると考えています。
地方銀行については以下ページをご覧ください。
まとめ
ざっくりまとめます。
・メガバンクは海外展開、経費削減が進む
・メガバンクは資金力を武器にフィンテックと協業する可能性
・国内貸出に依存する銀行は投資を避ける
最後まで読んでいただきありがとうございます。